田中貴金属工業は、2013年1月から6月までのプラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。
プラチナの2013年1月から6月までの国内平均価格は4848円/gで、前年同期の平均価格4092円/gを700円以上上回った。
プラチナの価格は、円高修正などにより2012年末から上昇を見せ、南アフリカの大手鉱山会社による減産発表や、労使交渉を要因とした供給不安を背景に、2月に今年最高値となる5305円/gをつけた。
3月以降は、プラチナ触媒を多く使用するディーゼル車需要の高い欧州における、経済低迷による実需の伸び悩みなどで徐々に値を下げたが、中国の宝飾需要と米国の好調な新車販売が下支えとなり、6月上旬までは4800円/g前後を推移。その後、6月19日に米国が量的緩和縮小を明言したことにより金価格が大きく下落し、プラチナも金に同調する形で、6月27日に4217円/gまで価格を下げたが、国内価格は、昨年から続いた金価格を下回る価格推移を脱し、金価格を上回る状態に回復している。
プラチナ地金の売買状況は、前年同時期と比較して販売量は30.0%減少、買取量は約2.3 倍となり、買取量は2012年の年間買取量の92.9%を半年間で達成した。昨年同時期の平均価格より700円以上高い価格推移をしていることや、金価格を上回る状態に回復したことなどにより、プラチナへの注目が集まっていることがうかがえる。
今後は、ディーゼル車需要の高い欧州の景気動向や、南アフリカの大手鉱山会社による労使交渉を要因とした供給動向に市場の注目が集まることが予想される。