近畿日本鉄道(近鉄)は6月28日、旧・生駒トンネルの見学ツアーを7月25日と8月18日に開催すると発表した。新トンネルの開通で使用を中止したトンネルの内部を約2時間見学する。
旧・生駒トンネルは現在の近鉄奈良線石切~生駒間に建設された、大阪府と奈良県の府県境にある生駒山脈を横断する全長3388mの鉄道トンネル。近鉄の前身会社である大阪電気軌道が建設し、1914年4月30日の上本町(現在の大阪上本町)~奈良(当時は仮駅)間開業に合わせて使用を開始した。トンネルは「イギリス積み」と呼ばれる、小口のみの段と長手のみの段を交互に積み重ねたレンガで構築されており、2009年には経済産業省により近代化産業遺産に認定された。
旧・生駒トンネルは断面が狭く大型の車両が走行できなかったことから、1964年には輸送力増強策として大型断面の新生駒トンネルが建設され、旧・生駒トンネルは使用を中止した。その後、生駒側の約400mは東大阪線(現在のけいはんな線)用のトンネルとして再利用されており、同線の建設時に断面の拡幅が行われたが、石切側は現在も使用中止時の状態を保っている。
近鉄は創業100周年を記念して2010年から旧・生駒トンネルの見学ツアーを行っており、今年で4年目になる。ツアーでは石切側からトンネルに入り、トンネル入口から約330m付近まで駅助役の解説を聞きながら見学する。
ツアーは7月25日、8月18日ともにAコースとBコースの2回実施し、いずれも近鉄各駅から各自出発して石切駅集合、石切駅解散となる。同駅の集合から解散までの時間はAコースが10~12時、Bコースが12時30分~14時30分。主な駅からの旅行代金は、大阪難波発が大人2040円、子供1800円、近鉄名古屋発が大人7280円、子供4430円となる。