〈企業インタビュー〉 ITトータルサービスプロバイダー JBCC (Thailand) Co., Ltd. (JBTH)

石黒 和義 氏 (JBCCホールディングス株式会社 最高顧問)
矢花 達也 氏 (President, JBTH)
佐藤 真夫 氏 (Managing Director, JBTH)

エマージング・マーケット 東南アジア

石黒 和義 氏 (JBCCホールディングス株式会社 最高顧問)
矢花 達也 氏 (President, JBTH)
佐藤 真夫 氏 (Managing Director, JBTH)

写真:佐藤 真夫 氏(手前)、西本 栄次 氏(JBTH General Manager of Sales & Marketing、後列中央)

JBグループ傘下のタイ現法、クラウドと3Dプリンタ事業を展開

ソリューションプロバイダーとしてのITトータルサービス

――グループ概要をお聞かせください

 JBCCホールディングス株式会社は1964年設立、情報ソリューション、ディストリビューション、製品開発製造といった企業を傘下に置く持株会社です。自社ブランド時代は日本初の漢字処理オフコンの開発・販売などを手がけていました。1983年にIBMをパートナーに迎え入れたことなどにより、日本国内最大手のソリューションプロバイダーに成長。2006年、グループの規模拡張に伴って純粋持株会社となり、現在に至っています。グループ全体としては中堅企業向けの情報ソリューションを主力事業としておりますが、IBMと提携していることなどから大手向けも得意としています。

 海外拠点は弊社のタイ現法のほか中国に4社、4月にはシンガポールにも現法を設立いたしました。JBグループとしての昨年の連結売上高は約900億円、連結社員数は約3000人です。

――タイ地法について

 タイ現法のJBTHはJBCCホールディングスがBTMUホールディングスおよびタイのITベンダー最大手であるメトロシステムズと合弁、2010年に設立されました。メトロシステムズはIBMタイ最大のビジネスパートナーとして知られています。それと同時に、弊社もIBMタイの日系企業対応の最重要ビジネスパートナーです。

 JBTHはまた、弊社グループにとって経済発展著しいASEAN地域の重要拠点です。ASEANは今や構成国が別々の市場として評価されることはなく、1つの巨大な経済圏とみなされています。投資インフラとしての評価も、国別ではなくASEANという広大な面が対象です。

――そのようなASEAN地域における御社グループの戦略は?

 それぞれの国で地場パートナーと提携し、面でカバーしていくことが重要だと思っています。JBTHは、メトロシステムズとの一層の緊密な提携をし、域内でのサポート領域を拡大してまいります。両社のタイ国内での日系企業顧客数はすでに100社を超えております。顧客数の拡大も重要な目標ですが、それと同時に既存顧客のグローバルパートナーとして日本、ASEAN諸国での最善なITサポート、ITサービスのご提供を確立していく所存です。

 ASEANの外に目を向ければ、やはり巨大な経済圏を築く中国が存在するわけですが、グローバル展開を考えた場合、ASEANと中国という2つの市場で足りないことに気付かされます。言葉どおり世界を1つの面で捉えないと、真のグローバル化は達成できないでしょう。

 ITという呼び名はグローバリゼーションの代名詞に聞こえますが、決してそうではありません。グローバル化を進めるIT企業は意外と少ないものです。JBTHもお客様と共にネットワークを広げてグローバル化を目指して行かなければなりません。

タイではほとんど見られない3Dプリンタ

――JBTHの事業内容について

 大きく4つに分かれます。1つ目は、ITシステム設計・調達・構築といった「ハードウエア」。2つ目は、製造業向けERPシステム「R-PiCS (アールピックス) V4」の販売といった「ソフトウエア」です。これらの既存事業では、さらなるサービスの向上と売り上げ増を目指します。

 3つ目は、「クラウド対応」という新規事業です。パートナーであるメトロシステムズの協力を得て、クラウドセンターの開設に乗り出す計画です。タイでは一昨年、多くの企業が洪水による甚大な被害を被っており、その経験を活かして積極的な危機管理や災害対策に取り組んでいます。特に管理システムやデータベースのバックアップでは、クラウドが注目されています。

 日系企業のタイ進出は今や、中小企業が主流となっています。高価なシステムを構築することなく、当初よりクラウドを利用した管理を専門業者に委託、初期投資を抑える手段を採ってくるでしょう。そのようなニーズに応えるべく、運用管理全般を引き受けるサービスも計画中です。

 そして4つ目は、タイではほとんど見られない「3Dプリンタ」の投入です。日本では企業向けはもちろん、一般消費者向けの3Dプリンタも売り出されていますが、タイでは弊社が調査した限り、ある1社が特定の企業向けに販売しているのみで、一般には紹介されていません。

――3Dプリンタのタイでの需要は?

 タイの製造業はもはや、本社からの指示によってただ単にものを作るだけの「手先」ではありません。さまざまな製品を自ら開発、世界各国に輸出する技術を備え持っています。日系メーカーもR&D(研究開発)部門をタイに設けるなど、真の意味での製造拠点としてその地位を確立しています。

 研究開発には試作が必要ですが、試作品を1つ作るだけでも数カ月の時間とそれ相応の費用がかかります。これが3Dプリンタですと、設計図などの必要データを入力するだけで、わずか数時間で「もの」が完成します。タイの製造業において、3Dプリンタは可能性を無限に広げていくでしょう。 もちろん、一般消費者向けも注目度は高いと期待しています。5月をめどにJBTH事務所内にショールームを開設します。

――今後について

 既存のハードウエアおよびソフトウエア、そしてクラウドと3Dプリンタという事業を通して、日本同等のソリューションサービスを提供し、日系企業のITビジネスパートナーとなるべく全力を尽くします。売り上げ的には、タイを含む各地の海外事業がグループ全体の売り上げの10%を稼ぎ出すよう努力していきます。

――ありがとうございました

住所:18th Fl., UBC II Building, 591 Sukhumvit Rd. (Soi 33), North Klongton, Wattana, Bangkok 10110
電話:02-662-2217-8 ファクス:02-332-2219Eメール:nishi@jbcc.co.th (担当:西本)
ウェブサイト:http://www.jbcc.co.jp/

《newsclip》

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