世界初の惑星分光観測衛星「SPRINT-A」、イプシロンロケットで8月22日に打上げ

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SPRINT-AのイメージCG。
  • SPRINT-AのイメージCG。
  • 真空試験でのSPRINT-Aの様子。
  • 真空試験でのSPRINT-Aを別角度から。
  • 一部分を拡大。手書きの注意書きが興味深い。
  • SPRINT-Aを衛星軌道まで運ぶのは、新開発のイプシロンロケット。
  • イプシロンロケットを打上げるのは内之浦宇宙空間観測所。

8月22日に新開発のイプシロンロケット初号機によって打上げ予定のJAXAの惑星分光観測衛星「SPRINT-A」。

SPRINT-Aは、宇宙科学ミッションを迅速かつ高頻度に実現するためにJAXAが開発しているセミオーダーメイド型の小型科学衛星「SPRINT」シリーズの1号機だ。地球の衛星軌道から極端紫外線(EUV)分光器を用いて金星、火星、木星などの惑星を遠隔観測する世界初の惑星観測用宇宙望遠鏡である。

SPRINT-Aは、まず金星または火星を観測し、地球型惑星の大気が宇宙空間に逃げ出すメカニズムの調査を行う。具体的にはどちらかの惑星の酸素イオン、炭素イオン、窒素イオンのそれぞれの流出率の上限値を求める。

太陽系誕生直後は太陽が現在よりも激しく活動していたために非常に強い太陽風が発生しており、金星、地球、火星からは多量の大気が逃げ出していったと考えられている。強い太陽風が惑星の大気にどのように作用するのかを調べることで、初期の太陽系に何が起こったのかを調べていくというわけだ。

また、木星の第1衛星イオから流出する硫黄イオンを中心としたプラズマ領域「イオトーラス」の観測も行う。それによりスペクトラムを導出し、木星のプラズマ環境のエネルギー供給を調べる予定だ。

SPRINT-Aのスペックは、サイズが1m×1m×4mで、質量が約320kg。高度は近地点950km、遠地点1150kmの楕円軌道を周回し、傾斜角は31度、周期は約106分となっている。

イプシロンロケット初号機の打上げは、日本標準時8月22日(木)の13時30分から14時30分の間。打上げ予備期間は、8月23日(金)から9月30日(月)までとなっている。打上げ場所は、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所だ。

《デイビー日高》

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