JALグループ中計ローリングプラン2013を策定、中長距離路線に経営資源を集中投入

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日本航空(JAL)グループは、「2012~2016年度JALグループ中期経営計画ローリングプラン2013」を策定した。

2012年2月15日に発表した「2012~2016年度JALグループ中期経営計画」では、目標に向かってどのような施策を実行しているのかを常に確認し、必要に応じて目標に向けての取り組みを修正し、計画の必達に向けて行動することを掲げる。

ローリングプランでは、現在の経営環境を踏まえた上で、「2012~2016年度JALグループ中期経営計画」の経営目標を変更しないことを確認した上で策定した。

路線ネットワーク・商品・サービスの拡充では、1月16日以降のボーイング787型機運航見合わせにより、ヘルシンキ線の開設やアジア路線の機材変更が延期となり、当初の事業展開に遅れが生じている。ただ、今後も中長距離路線(欧米・東南アジア路線)に経営資源を集中的に投入し、路線ネットワーク・商品・サービスの品質向上を図る。国内線では、羽田発着、伊丹発着を中心に新規路線開設、増便を行い、利便性の高いネットワークを展開する。

コスト競争力強化では、安全を守る取り組みの徹底、品質の維持・向上を前提とした「抜本的な費用効率化」への取り組みを継続しており、中期期間中の費用効率化目標500億円のうち、2012年度は100億円を達成した。今後も、既成概念にとらわれない創意工夫を含め、目標達成に向けた取り組みを継続し、為替変動などの外的環境の変化に対しても揺るがないコスト体質の形成を目指す。

国内・国際線でLCC(格安航空会社)の台頭で、競争は激化しているが、今後も、LCCとは明確に異なるフルサービスキャリアとしての「JALブランド」を追求する。

経営目標の進捗では、JALグループ安全目標として、航空事故、重大インシデントともにゼロを追求しているが、2012年度に1件の航空事故、4件の重大インシデントが発生した。この事実を真摯に受け止め、原因究明、再発防止策を徹底により、顧客に「安心」して利用される航空会社を目指し、安全運航堅持に向けた取り組みを強化する。

また、顧客が新鮮な感動を得られるような最高のサービスを提供し、2016年度までに「顧客満足No.1」を達成する目標に向けては、路線ネットワークの展開、ヒューマンを始めとするサービス、商品の改善に取り組んだ結果、上位との差は小さくなっている。ただ、目標達成に向けて「取り組みの継続性」が重要と考えており、今後「スピード感」をもって新しいサービスを常に展開していくことに「挑戦」する。

景気変動やイベントリスクを吸収する収益力、財務基盤として「5年連続営業利益率10%以上、2016年度末自己資本比率50%以上」の目標に向けては、2012年度に国際線旅客収入を中心とした増収、生産性向上効果を含めた費用減の結果、営業利益1952億円、中期経営計画対比572億円プラス、営業利益率は15.8%となった。これに伴う2012年度末の自己資本は5650億円、計画比970億円プラス、自己資本比率は46.4%となった。

2013年度は、競争力向上による増収を見込む一方、為替変動に伴う燃油費を中心とした費用増要素が大きく、加えて、787型機の運航見合わせによる収支悪化影響も見込む。この結果、営業利益は1400億円、営業利益率11.0%を計画する。2013年度末の自己資本は6440億円、自己資本比率は50.6%となる見通し。

《レスポンス編集部》

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