小田急電鉄は3月23日、小田原線代々木上原~梅ヶ丘間の線路を地下線に切り替えた。これにより下北沢駅を含む3駅が地下化され、9か所の踏切が解消された。今後は複々線化の工事を本格化させ、2017年度の複々線使用開始を目指す。
代々木上原~梅ヶ丘間は、地上の線路を地下に移設するとともに、線路の数を従来の2本(複線)から4本(複々線)に増やす工事が2003年度から始まった。地下への移設は東京都を事業主体とする連続立体交差事業として、線路の増設は小田急を事業主体とする複々線化事業として実施されている。
計画では、特急や急行などの速達列車が走る急行線の2本と、各駅停車の列車が走行する緩行線の2本を整備する。代々木上原駅から東北沢駅までは、外側に急行線、内側に緩行線を敷設。東北沢駅からは急行線が緩行線の下に入って上下2層の構造となり、世田谷代田駅の先で外側が緩行線、内側が急行線となって地上に出て、既に完成している複々線の高架橋に接続する。急行線と緩行線の両方にホームが設置されるのは下北沢駅だけで、東北沢駅と世田谷代田駅は緩行線のみ本設ホームが設置される。
今回の地下化では、先に完成した急行線の線路を使用し、当面は速達列車と各駅停車の列車が急行線の線路を共用する。急行線用のホームがない東北沢駅と世田谷代田駅は、急行線に対応した仮設ホームが暫定的に設置された。
外側急行線と内側緩行線が並行している東北沢駅は、内側緩行線の線路2本の間に本設ホームを設置している。このため、本設ホームの両側を拡張する形で仮設ホームを設け、急行線の線路に隣接させた。仮設ホームは緩行線の線路を覆う格好となっている。
一方、世田谷代田駅は緩行線と急行線の線路が上下2層の配置となっていることから、急行線の両側に仮設ホーム用の空間が設けて対応した。
今回の地下化により地上の線路が閉鎖され、9か所の踏切が解消された。今後は緩行線の建設が本格化し、2017年度の緩行線使用開始、2018年度の事業完了を予定している。下北沢駅と世田谷代田駅の緩行線が入る空間は、ホームなどの構造物がほぼ完成しており、当面は急行線内に設けられたホーム~地上間のコンコースの一部として使用される。