2月4日、NASAは2月15日に地球に再接近する小惑星、DA14に関する一般向けの情報をまとめたビデオを公開した。
フットボール競技場の約半分の大きさを持つDA14は、南側から北に向かって地表から1万7200マイルにまで接近し、静止地球軌道衛星とGPS衛星の内側を通過するが、地球に衝突する可能性は全く無く、衛星にぶつかる可能性も極めて少ないと見られている。
DA14は地球にかなり近いところまで接近するとは言え、肉眼でその動きをとらえるのは非常に困難である。しかし東ヨーロッパやアジア、オーストラリアからは空のどこを見れば良いか承知している場合に限って、双眼鏡などで観測することが可能である。この小惑星は南スペインのラ・サグラ天文台のスペイン人科学者のグループが発見した。
DA14と同等のサイズを持つ小惑星が、1908年6月30日に地球に衝突した。いわゆるタングスカ・イベントと呼ばれるものは、30~40メートルの大きさを持つ小惑星が地球の大気圏に突入して爆発を起こし、820平方マイルに広がる木々をなぎ倒した。しかし2月15日に接近するDA14に関しては全く心配ない。その軌道は完全に知られており、地球に衝突し得ないことが判明している。
これがもし20年前であれば、おそらくこのオブジェクトが発見されることはなかったかも知れない。しかし現在ではNASAが空を毎夜のように観測し、こうしたオブジェクトを探知して、100年後の未来にそれらが地球に接近するかどうかを追跡している。それはただ脅威に対する問題だけでなく、これらのオブジェクトは科学や未来の資源にとって重要だからである。