東海ゴム工業は1月25日、ドイツの自動車用防振ゴムメーカー、Anvis Group GmbH(Anvis社)を買収することを決定したと発表した。
東海ゴム工業は、1999年にポーランドに子会社を設立し、防振ゴムを日系メーカーの欧州生産拠点に供給してきたが、現地生産体制の強化が課題だった。また、欧州メーカーへの本格参入を図るためには、現地での生産基盤強化や営業ノウハウの獲得も必要としていた。
今回、欧州に広く生産拠点を有し、欧州メーカーへの販路も持つAnvis社を買収することで、欧州での供給能力が高まることとなり、2015年度を最終年度とする中期経営計画「2015年TRI GROUP VISION」で掲げる、日系自動車メーカーへのグローバル供給体制強化と海外メーカーへの参入を進めていく契機となる。
また、同社は昨年12月から、メキシコでAnvis社グループとの間で自動車用防振ゴムに関する合弁事業を開始している。今回の買収により、Anvis社の欧州での販売網や、得意とする中・小型車向け製品の開発・生産技術を活用し、成長戦略を強力に推進する構えだ。
欧州事業については、昨年12月にイタリアの自動車用ホースメーカー、Dytech-Dynamic Fluid Technologies S.p.A.(DYTECH社)の買収を決定するなど、幅広い製品の供給体制構築に向けた取り組みを進める。新興国市場での供給や海外メーカーへの拡販に向けたグローバル相互補完体制が整った。
なお、株式売買契約は1月28日に締結する予定。契約締結後、関係国への競争法上の手続きなど、株式売買契約に定める条件が満たされることを条件として、Anvis社の株式を譲り受けることとしている。