【IS 350C Fスポーツ 試乗】引き締まった足回りと心地よいオープンドライブ…松下宏

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レクサス『IS』のオープンモデル『IS C』は2009年5月にIS250Cが最初に発売され、2010年8月にV型6気筒3.5リッターエンジンを搭載するIS350Cを追加、2012年8月にレクサスブランドのスポーツモデルを象徴する“Fスポーツ”を設定した。

IS-Cはフル4シーターのオープンカーで電動開閉式のメタルトップを持つ。メタルトップを採用することで、幌(ほろ)タイプのオープンカーにもそれなりに良さがあるが、オープンカーの心地よさとクローズドにしたときの快適性とを両立させるという点でメタルトップが優位に立つ部分もある。

IS250Cのときには、オープン化によって重くなったボディに対して動力性能がやや物足りないと感じることもあったが、高い動力性能を持つIS350Cでは余裕の走りが可能となる。このエンジンは登場して久しいが、最新仕様が発生する234kW/380N・mの動力性能は今でも立派に通用する。

電子制御6速ATと組み合わされていて、スポーティかつ快適なドライブが可能。高速クルージングでは時速100kmでの走りを2000回転ほどでこなす。ルーフを閉じていれば、普通のクーペやセダンと変わらない静かな走りだ。

エンジンについては、エコカー減税に適合できるような燃費を実現していないのが物足りなさを感じる部分。アイドリングストップ機構の採用などによって燃費を向上させる努力は必要だと思う。外国メーカーのこのクラスのエンジンは、走りも燃費もどんどん良くなっているからだ。

追加された“Fスポーツ”には専用の18インチタイヤや専用チューンのスポーツサスペンションが設定されていて、引き締まった感じの乗り味を感じさせる。高速道路の継ぎ目などでは硬さを実感することになるが、ワインディングを走らせるととても気持ちの良い足回りである。

IS Cに乗り込むときにはAピラーに注意しながら乗り込む必要があるが、メタルトップを採用したコンパクトなオープンカーに比べたら乗り降りはしやすい。

室内はレクサス車らしいスポーティさとラグジュアリーな雰囲気にあふれている。試乗車はIS350C“Fスポーツ”だったので、専用のセミアニリン本革スポーツシートが採用されていた。

4シーターの後席は2ドアなので乗降性は余り良くないが、乗り込んでしまえば広さは十分。風の巻き込みはそれなりだが、後席に乗った2人の大人も心地よいオープンドライブを楽しめる。

オープンカーというと、実用性に欠けるのが避けられないが、IS Cはメタルトップによる快適性と4名乗車が可能なこと、一定の容量を確保したトランクスペース持つことなどによって、ある程度の実用性も兼ね備えている。

試乗車は最上級グレードなので645万円の価格設定で、マークレビンソンの高級オーディオやプリクラッシュ・セーフティシステムなど40万円ほどのオプションが装着されていた。これだとさすがに高い印象だが、ベースグレードには500万円を切る価格が設定されている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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