今年6月、北海道旭川市内で乗用車を運転していた際に軽乗用車と出会い頭に衝突する事故を起こし、運転者を死亡させたとして、自動車運転過失致死罪に問われた39歳の男に対する判決公判が5日、旭川地裁で開かれた。裁判所は禁錮3年の実刑を命じている。
問題の事故は2012年6月23日の午後11時55分ごろ発生している。旭川市東光12条7丁目付近の道道をパトロールしていた警官が、パトカーを高速度で追い抜く乗用車を発見。停止を命じたが、クルマはこれを無視して90km/h超の速度を維持したまま、約600mに渡って走行。現場の交差点に一時停止を無視して進入したところ、右方向から交差進行してきた軽乗用車の側面部に衝突した。
この事故で軽乗用車を運転していた53歳の女性が収容先の病院で死亡。衝突側のクルマを運転していた男も重傷を負った。警察は後にこの男を自動車運転過失致死容疑で逮捕し、検察は同罪で起訴していたが、公判で男は「パトカーの追跡には気がつかなかった」と主張していた。
5日に開かれた判決公判で、旭川地裁の佐伯恒治裁判官は「被告がパトカーを振り切るために暴走したと認める証拠は無い」としながらも、「制限速度が30km/hの道路を90km/hを超える速度で走行しており、極めて危険であり、異常な運転だ」と指摘した。
その上で裁判官は「無謀極まりなく、自動車運転過失致死事犯の中でも非難される度合いは大きい」として、被告に対して禁錮3年の実刑判決を言い渡している。