ホンダジェット生みの親が米航空宇宙学会のデザイン賞を受賞

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ホンダ・エアクラフトカンパニーの藤野道格社長
  • ホンダ・エアクラフトカンパニーの藤野道格社長
  • ホンダジェット 飛行試験用量産型4号機
  • ホンダジェット量産3号機(赤/白)
  • ホンダジェット量産型3号機初飛行。左からステファン・ヨハンソン機長、ホンダエアクラフトカンパニー藤野道格社長兼CEO、トム・モーラー副操縦士。
  • ホンダジェット量産型3号
  • ホンダジェット

AIAA(米航空宇宙学会)は10日、ホンダ・エアクラフトカンパニーの藤野道格社長に「エアクラフト・デザイン・アワード」を授与することを発表した。

これは航空機の重要な進歩につながる技術の貢献や設計、独創的な概念を定義した設計技師またはチームに与えられるもので、藤野氏が発案した主翼の上にエンジンをマウントする形状OTWEM(Over the Wing Engine Mount)と、それを採用した小型ビジネスジェットHonda Jetの設計及び開発が認められた。

これまでビジネスジェットのエンジン搭載方法は機体後部の左右に取り付けるのが一般的で主翼上部にエンジンを取り付けるのは翼振動や後端に空気の抵抗を作るとされ殆ど実用化されなかった。藤野氏はコンピューターシュミレーションと模型による風洞実験を用いてエンジンマウントの最適な位置を導き出し、翼面の造波抗力の低減させることに成功、速度の向上と低燃費化を両立できた。またOTWEM方式によりHonda Jetは胴体部分にエンジン支持構造を設けることなく機体スペースを広いキャビンスペースと荷物室に充てることもできた。

AIAAは航空宇宙関連の世界90社、3万5千人以上の会員からなる団体で、Aircraft Design Awardが設けられた1969年以降日本人が受賞するのは藤野氏が初めてとなる。Aircraft Design Award以外のAIAAのアワードとしては2010年に「はやぶさ」のイオンエンジンチームが卓越した技術賞「Electric Propulsion Outstanding Technical Achievement Award」を受賞している。

Honda Jetは5月に飛行試験用量産生産型4号機の初フライトを成功させており、現在来年後半に予定されている販売モデルのカスタマーデリバリーに向け着実に作業を進めている。

《ケニー中嶋》

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