11代目となったトヨタ『カローラ』。開発で非常にこだわったポイントのひとつに“乗り味”があるという。
「ドアを開けて、シートに座って、ドアを閉めて、エンジンをかけて、アクセルを踏んで走り始めて、そして、ひと通り走ってというこの動作の中に出てくる、なかなか言葉や数字に出来ない質感みたいなところを、すごく大事にしました」と話すのはトヨタ自動車製品企画本部ZE主査の中村寛さん。特に、「ドアが閉まった時の音や、少し荒れた路面でガタガタッと来た時に、ボディがちょっときしむように感じる場合があるのですが、(このクルマでは)ボディがカッチリしているなという感じを表現しました」。
そして、「このカッチリ感を表現するために、アンダーボディを流用しながら(アクアやヴィッツと同じBプラットフォーム)、補強を入れたり、スポットの打点を増やして剛性を上げています」。その結果、「これまでの同クラスのクルマにないぐらいのカッチリしたボディの、質感の高い走りがある程度表現できたと思います」と述べる。
更に、ワゴンボディである『カローラフィールダー』では、「荷室が大事なクルマなので、先代のように室内に補強など余計なものを付けて使いにくくしたくないので、開口部の枠組みの中をしっかりと補強しました」と話す。中村さんは、「ここも何回も何回もやり直しました。重くせずに剛性を確保したいというギリギリのところで議論をしたのです」と苦労を語る。
中村さんは最後に、「足の出来は、やはりボディなんです。足回りの取り付け部分をしっかり持たせないと、何をやっているかわからくなってしまうのです」とした。