【ベントレー コンチネンタルGTC 試乗】まるでジキル博士とハイド氏…内田俊一

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ベントレー コンチネンタルGTC
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“ジキル博士とハイド氏”という物語がある。その内容から二重人格を表すフレーズとしても使われているが、まさに、ベントレー『コンチネンタルGTC』はジキル博士とハイド氏の言葉通り大きく乖離した2つの性格を持ち合わせていた。

信号からスタートをする際、すっとアクセルを踏むと、非常に滑らかに速度を上げていく。そのとき、6リッター、575psの荒々しさは、全く感じない。しかし、ある程度スピードにのってから、アクセルをより深く踏み込んだとき、その性格は一変する。シートバックに背中が押しつけられ、一気に法定速度を超える速度域へ突入しようとするのだ。しかも、その加速中にトリッキーな挙動を全く感じさせないのは見事である。

また、オープンにして海沿いの道をのんびりと走っていたとしよう。制限速度内では大して風を巻き込まないので、かすかな潮の香りを楽しみながら、快適なクルージングを楽しむことが出来る。そして、電動のソフトトップを上げたときは、先ほどまでのオープンの開放感とは全く違う、どちらかといえばクーペのようにしっかり包まれた、しかし、他のオープンにあるような息苦しさを感じさせない快適な空間が広がるのだ。更に特筆すべきは、その遮音性の高さだろう。少し強めの雨の中を走っているときでも、かすかにソフトトップをたたく心地良い雨音を感じることが出来る程度といえば、その静かさが伝わるだろうか。

更に付け加えるならば、高速道路を淡々と走りぬく快適性と同時に、ワインディングロードを、そのボディサイズを気にせずにきびきびと駆け回ることも出来る。

事程左様に、ジキル博士とハイド氏が住み着いているのが、このコンチネンタルGTCといえよう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

内田俊一|モータージャーナリスト
1966年生まれ。デザイナーや開発者の言葉を出来るだけ正確に読者に伝えることをモットーに執筆。18年間の自動車関連マーケットリサーチ経験を踏まえ、ユーザーの立場も忘れることはない。また、クラシックカーの分野も得意としている。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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