東京電力の西澤俊夫社長は4日の決算会見で、コスト削減のために同社が行う附帯事業の打ち切りを発表した。その中には、トラック輸送による地球温暖化や大気汚染の防止に役立つと期待された「給電スタンド」事業が含まれている。
給電スタンドとは、駐車中のトラックに外部から電力供給し、料金の徴収を可能にしたシステム。トラックターミナルなどに設置することによって、駐車中にスタンバイエンジンを回さなくても車内や荷室の温度調節が可能となり、アイドリングストップを実現する。
05年から環境負荷低減効果や燃料削減効果などの実験を行い、エンジンで発電するより低コストで環境にやさしいことを実証した。しかし、車両搭載用外部電源式クーラーや車内冷暖房器具、接続電源ケーブルを新たに用意しなければならないことから、普及が思うように進まなかった。
東電は特別事業計画の認定により、原発事故の賠償のために約8300億円の支援を原子力損害賠償機構から受けることになった。その返済などのために、今後10年間で2兆5455億円以上のコスト削減を求められている。
西澤氏は附帯事業の廃止例として、このほかにもインターネット事業で、移転などの公共料金などの通知をワンストップで行う「引越れんらく帳」などを上げた。