サンドブラストという道具をご存知だろうか。高圧のエアでガラスビーズなどを吹き付けることによって部品の表面にある劣化した塗装や錆を落とす、クルマのレストア作業には欠かせない道具だ。そんなサンドブラストに似た道具を産業交流展で発見、ところがよくよく話を訊いてみると…。
東洋研磨材工業が開発した 鏡面ショットマシン「SMAP」は、空気圧ではなく遠心力によってメディア(研磨材)を飛ばし、複雑な形状でもキレイに鏡面仕上げしてくれる機械だ。
デモとして硬貨を磨いてもらったが、表面の細かい凹凸は削らずに腐食した表面だけをキレイに磨いてくれる。5円玉は新品よりもキレイな黄金色に輝き、500円玉の「00」の部分にある「500円」の透かし文字はそのままに、新品のようにキレイになった。
このSMAPでは荒磨きから鏡面磨きまでメディアを選ぶことによって仕上げも選べる。メディアは、コアに弾性のあるゴム素材を使用し、表面に超微細な研磨砥粒(最高で1万番)をコーティングしたもので、ゴムのクッション性が程よく研磨材を押し付けることで、削りすぎずに表面をキレイに磨き上げるのだそう。
元々は携帯電話の金型など複雑な金型を鏡面仕上げする要望に応えるために開発されたものだとか。これによって表面の塗装を薄くしながら光沢仕上げが可能になったのだろう。ちなみにこのSMAP、値段は280万円から。素人がDIYで使うには少々ハードルが高いが、ドレスアップを楽しむフリークなら欲しがるマシンじゃないだろうか。