バイク組合、宮城県石巻で災害支援「もういらんと言われるまで」

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撮影=中島みなみ
  • 撮影=中島みなみ

全国オートバイ協同組合連合会(AJ)は、28日から宮城県石巻市を拠点として、オートバイによる災害支援ボランティアを開始する。村井嘉浩宮城県知事から応援要請を受けて、被災地の情報収集と物資搬送にあたる。

AJは、全国約1400社のオートバイショップが加盟する日本最大の販売店組織。会長の吉田純一氏が先頭に立ち、第一陣を組織。大阪府と埼玉県の組合員ら10人以上現地入りする。

「交代しながらできるだけ長く、もういらんと言われるまでやりたい」(吉田会長)

吉田氏自身、95年の阪神淡路大震災で店舗2件が全壊するという辛酸をなめた。「体験してるから、人の痛みもわかるしね。組合員にも全半壊の被害が出てるし、募金も募ってるけど、とにかくオートバイ販売店が現地に行こうと」。

宮城県は、被災地にまだ連絡の取れない地域がある。バイクの機動性を生かして、そうした被災地の連絡係を務める。

「オートバイは阪神淡路の震災でも、ずいぶん役に立った。乗用車では行けないところでも、医薬品を持って走れるしね。ついでに、被災地の人々に、バイクって役に立つんだなあと有用性を知ってもらえたら、それだけでうれしいです」

被災地入りするために吉田会長はカワサキ『KLX250』を選んだ。被災地の荒れた道路に切り込む高い踏破性を重視したためだが、中にはホンダ『スーパーカブ』で参加する組合員もいた。100km/リットル以上の省燃費と新聞や郵便配達で鍛えられた積載量は、被災地支援には最適だ。

「とにかく何があるかわからないから、いろんな車両で参加してお役に立ちたい」

災害支援ボランティアは自力で移動できることが基本だ。AJのボランティアでは、トラックにガソリン、暖房、寝袋、水、防寒具、カッパ、カイロなどが積み込まれた。災害支援ボランティアは、参加する側にも覚悟がいるが、すでに第二陣、第三陣も予定している。

《中島みなみ》

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