【トヨタ ヴィッツ 新型発表】パーフェクト・インバランス、完璧な崩し

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トヨタ『ヴィッツ』がフルモデルチェンジし、3代目に進化した。デザインを担当したデザイン本部トヨタデザイン部グループ長の郷武志さんは、「トヨタの基幹車種なので、プレッシャーはあったものの、光栄な仕事なので、前向きにとらえて取り組みました」という。

デザインコンセプトは“Agility(軽快さ)&上質感”。Agilityについて、郷さんはまず、ヴィッツは日本と欧州両方で作っていくと前置きしたうえで、「欧州のBセグメントはどんどんサイズアップし、居住性や上質感が高まったりしているものの、コンパクトらしい取り回し性や、きびきびした走りに関することがスポイルされているのではという市場の声がありました」という。

そこで「車両寸法の拡大は最小限にとどめながら、走りについてのダイナミズムは非常に重要視しました」と話す。「当然実際の走行性能も上がってきているので、それらに見合うようにデザインも、きびきび走る感じというのをこだわっています」という。

その動きを出すために、「キャビンとボディとタイヤの位置が非常に重要で、それが、バランスしつつ、そこに若干崩しも入れて、デザインをしました」という。

“崩し”というのは、「ボンネットフードからヘッドランプにつながるラインと、フロントフェンダーからリヤコンビに走るキャラクターラインを、あえて、前後にずらすことで、前進するイメージを持たせているのです」という。また、同様にCピラーのウインドウグラフィックの傾きをあえて、Cピラーに沿うようにせず、逆に向かせることでも同じイメージを与えているという。「こういうプロポーションの仕掛けで前進するイメージを狙ったのです」。

「パーフェクト・インバランスといって、プロポーションが整いすぎているとクルマに動きがない。そこで、あえてそれをずらすことで動きやアイキャッチのポイントを持たせることを狙っているのです」

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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