ホンダ『CR-Z』は、パッケージングを含めゼロスタートで開発するという投資の大きさは、市場の規模を考えればキワドイ挑戦だったはず。
『インサイト』のプラットフォームを利用してスポーティな“ドンガラ”を被せてイッチョ上がりみたいな成り立ちでもいいのに、スポーツカーとして本物を目指したホンダの心意気を評価しCR-Zに10点を投じた。
その意味では、プジョー『RCZ』もかなりのホンキ度合いが伝わってくるクルマといえる。しかも、このエンジン&パワートレインは想像以上の好燃費をもたらしてくれるので5点。BMW『5シリーズ』はこのクラスの新たなベンチマークとして位置づけられる完成度を持つだけに5点を投じた。
VW『ポロ』は、クラスの常識を打ち破る総合力を持つことは確かだけれど既存技術の集大成的な内容なので配点はやや辛めに。日産『マーチ』は“いいクルマ”ではあってもそれ以上の魅力が見出せなかったので十分な配点ができなかった。
萩原秀輝|日本自動車ジャーナリスト協会理事
在学中よりレポーターとして活動。ツーリングカーレース優勝や入賞経験を生かし「クルマの走り」について深い洞察力を持つ。また、日本に初めて実践型安全運転教育を導入した輸入車系のスクールでインストラクターに従事し、開校時の1989年から現在に至るまでの受講者の累計が10000人を越えた。