日本ミシュランタイヤは21日、磨耗したタイヤに溝を掘り直すことで安全性の向上や省エネ走行を実現する「リグルーブタイヤ」に関するプレスセミナーを開催した。
セミナーは、茨城県にある日本自動車研究所(JARI)の城里テストセンターで行われた。2台のトラックを用いて、新品タイヤや磨耗したタイヤと、リグルーブタイヤの性能を比較した。
リグルーブタイヤと新品タイヤの比較では、32km/hからクラッチを切った状態で惰性走行を行い、転がり抵抗を比較した。リグルーブタイヤは新品タイヤに比べ磨耗しているため、転がり抵抗が低く、省エネ走行につながることを実証した。
リグルーブタイヤと磨耗タイヤの比較では、低ミュー路上で40km/hメートルからフルブレーキをかけて制動距離を計測。リグルーブタイヤは磨耗タイヤに比べ制動距離が数メートル短くなることが確認された。
日本ミシュランタイヤのベルナール・デルマス社長は「リグルーブタイヤは、トラックやバスを所有するユーザーのコスト削減に有効。日本ではまだユニークな取り組みだが、普及させていきたい」と述べた。
ミシュランは、約50年前からリグルーブタイヤの使用を提案している。日本国内では、この数年でリグルーブタイヤの提供に対応するタイヤ販売店が急増しているという。日本ミシュランタイヤは、新品タイヤ、リグルーブタイヤ、そしてリトレッドタイヤの3パターンに対応し、車両の使用用途に適したタイヤの利用を提案していく。