【プジョー 3008 試乗】カタチから想像できない脚さばき…西川淳

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驚いた。こんな不格好(失礼!)なクロスオーバーなのに、恐ろしく乗り味がいい。試乗会会場へと登って行くワインディング、その日家から乗ってきた某国産高級セダンで上がる際にはふらふらと手応えも薄くイライラさせられたものだが、『3008』で下る際には当意即妙で心地よく、できればこっちで小田原から家まで帰りたいとだだを捏ねたい気分に。

ベースの『308』よりも、脚の動きの豊かさ/深さ/しなやかさでは3008の方がはるかに上。自然なフラット感の演出は、ダイナミックスペインで乗った『RCZ』もなかなかのネコ脚だったが、あっちはちょっと猛獣っぽいのに対して、こちらは優しく家ネコ系だ。繰り返しになるけれど、カタチからは想像できない脚さばきである。

もうそれだけで気持ちよくなってしまったからだろうか、幅の広さも、妙に孤立したコクピット感覚も、寝かされたAピラーも、しまいにはほとんど気にならず。ステアリングフィールの自然さが運転のしやすさに直結するというお手本だ。

これで走りがマトモじゃなかったら、スタイリングと併せて非難批判の大合唱になるところ。けれども、思いのほか気分よく走れたもんだから、衝撃的に格好悪いと思ったカタチでさえ、今や納得しつつある。クルマって面白いし、人は身勝手なものだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

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