2008年12月に茨城県笠間市内の常磐自動車道で追突してきた中型トラックを約20kmに渡ってひきずり、その後の車両火災で運転者を死亡させたとして自動車運転過失致死などの罪に問われた59歳の男に対する判決公判が3月29日、水戸地裁で開かれた。
水戸地裁の河村潤治裁判長は「被告が走行車線ではなく路肩に停車していたり、衝突後にバックミラーで確認するなどして注意義務を怠っていなければ本件事故は起きていない」として、自動車運転過失致死罪の成立は認めた。
だが、その一方で「被告は追突の衝撃を荷崩れと認識ており、自車に他車が追突したとは思っていなかった。事故を事故として認識していた証拠に欠ける」として故意による逃走ではなかったと判断。道路交通法違反(ひき逃げ)については成立しないものとし、被告に対して禁固2年(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡している。
問題の事故は同年12月3日早朝に発生。笠間市長兎路(N36.18.4.6/E140.20.32.3)付近の常磐自動車道下り線で、第1車線上に停車していた大型トラックに対し、後ろから進行してきた中型トラックが衝突。中型トラックは大型トラックの後部へ食い込んだ状態となったが、大型トラックを運転していた被告の男はこれに気づかず、約20km離れた千代田パーキングエリアまで走行。そこで初めて事故に気がつき、警察へ通報した。
現場に急行した隊員が炎上している2台のトラックを確認。大型トラックの後部へ食い込む状態となっていた中型トラックは全焼し、車内からは運転者の男性が焼死体で発見されている。後の調べで死亡したのは29歳の男性と判明。大型トラックを運転していた男は自動車運転過失致死などの罪で起訴されていた。