京セミ(京都市)は、自社で開発した球状太陽電池「スフェラー」の展開例を紹介。一般的な平型太陽光発電シートと違い、網戸のように先が透けて見えるところもメリットのひとつで、“発電する窓ガラス”「シースルーウィンドウ」などが展示されていた。
スフェラーは、シリコンの液滴を凝固させてできた直径約1.8mmの球状太陽電池の集合体で、優れた透過性を持つほか、表裏関係なく両面で発電できる、あらゆる角度からも光を取り込めて、反射光・散乱光などもキャッチできるなどのメリットも持っている。
「他社のシースルータイプの太陽電池の透過度(光を通す割合)がだいたい10 - 20%に対し、スフェラーは要望にあわせて20・50・80%などと対応できる」と同社。
クリヤのポリカーボネート樹脂板でスフェラーをはさんだクォーターウインドウの試作品も展示。「クルマ部品への応用も期待できる」(同社)。
同社は「従来の平面型の太陽電池は、結晶シリコンをスライスするので、途中で“削りくず”が出る無駄があった。これに対してスフェラーは、溶解したシリコンを自由落下させ、自然に真球化させるので無駄がほとんどでない。セルの回収や再利用にも優れている」とPRしていた。
PV EXPO 2010(国際太陽電池展)は5日まで、東京ビッグサイトでFC EXPO(国際水素・燃料電池展)と同時開催。