クラレは8日、欧州子会社クラレヨーロッパ(KEG)がPVB(ポリビニルブチラール)樹脂「モビタール」の生産設備の増強と試運転が完了し、本格稼働を開始したと発表した。
KEGのPVB樹脂の生産能力は、年産2万9000tから35%増となる3万9000tへ増強した。
PVB樹脂は、クラレが1950年に世界で初めて工業化したポリビニルアルコール樹脂を原料として作られる接着力と透明性に優れた樹脂。
この特性を生かして塗料・インク・セラミックのバインダーなどに使用されるほか、フィルム状に加工されたPVBフィルムは、建築用窓ガラス、自動車フロントガラスの破損・飛散を防止する安全ガラス用中間膜として利用されている。最近では太陽光発電パネルの封止材用途での需要が拡大している。
新ラインの稼働によりクラレグループはPVA樹脂からPVB樹脂、PVBフィルムまで一貫生産体制を強化し、“酢ビ・ポバール系事業”のグローバル展開を加速する。