2009年3月、成田空港から都心まで白タク行為を行ない、客から代金を受け取ったとして、60代の男性が道路運送法違反の現行犯で逮捕された。
こうした逮捕事例は年に数回ある程度で、取り締まる地元警察は「空港周辺に白タクが存在することは認めているが、通報や苦情がない限りは警察も動けない」ともらす。
国際線到着ロビーなどでは、白タクの勧誘行為を行なっている人物を見かける。成田空港で客を待つタクシー運転手は彼らを見て「白タクは今も多い。客引き自体が違反なのに堂々とやっていて、我々の仕事にも影響受ける。万が一事故にあっても何の保障もない。最後に損害こうむるのは客」と話す。
同運転手は「東京方面への客がほとんどだから、1人乗せれば確実に2万円が入る。終電を逃した人たちを乗せる白タクと違い、空港が動いている時間帯すべてが“営業時間”となる」とも語っていた。
さらに同運転手は、青タクの存在にも触れた。「青タクは指定区域外の、認可を受けていないタクシーで、成田空港でお客を降ろしたついでに帰りの客を乗せちゃうんだ。これも困っている」(同運転手)。
最近は東京都内と成田空港を2万円前後で結ぶ定額料金タクシーも増えてきたが、「それでも白タクの数は減らない」(同運転手)という。
地元警察は、「白タクが減らない理由のひとつは、乗る客がいるということ。確実に需要があるからだろう」と話す。警視庁は、外国人専用の白タク「地下タクシー」なども含め、白タク等に安易に乗車しないようにとユーザーに呼びかけている。