気になるニュース・気になる内幕…今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップ、内幕を分析するマスメディアクルージング。
2009年12月11日付
●トヨタ生産730万台、今年度上方修正、前年度実績上回る(読売・2面)
●社説:スズキVW提携、二つの「エコ」が生んだ再編劇(読売・3面)
●富士重、中国生産を検討、新車好調、現地調達で機動力強化(読売・10面)
●パナソニック、三洋TOB50.19%で成立(読売・10面)
●予期しない急発進、トヨタが苦情最多、米誌調査(朝日・11面)
●最新エコが続々、あすまで、東京ビッグサイト(朝日・11面)
●トヨタ低価格車、インドで初公開、来年、モーターショー(朝日・11面)
●「ETC以外も無料」高速道実験で前原国交相(毎日・1面)
●不況、エコ、今年の四字熟語は「断雇反対」「環境車買」(産経・10面)
●中日産業技術賞、トヨタなど贈呈式(東京・9面)
●ファミマ、カーシェア参入、オリックスと組み来月から(日経・3面)
●VW・スズキ、3位、自動車時価総額、トヨタの4割に(日経・11面)
●冬のボーナス、精密・自動車、減額2割超(日経・15面)
●中古車登録1.3%減 11月(日経・15面)
ひとくちコメント
自動車再編が新たな局面を迎えたことを告げるスズキと独フォルクスワーゲン(VW)の資本・業務提携。
きょうも各紙が様々な視点で報じている。読売は社説のテーマに上げて「提携には、スズキの『エコノミー』技術とVWの『エコロジー』技術を持ち寄り、二つの『エコ』の融合で、お互いの弱点を補完しあう狙いがある」と解説し、「自動車業界では今後も『二つのエコ』を軸にした提携が続くことが予想される」と指摘している。
毎日は1面のコラム「余録」でも取り上げた。「1954年1月末のことだ。西独の国民車フォルクスワーゲンが1台、鈴木式織機に到着した」という書き出しで「思えばスズキがワーゲンの分解研究に挑んだ出発点から、低コストで良質な小型車作りという志で結ばれた両社である」と紹介。懐古的なストーリーが興味深い。
日経は自動車メーカーの時価総額を算出し、両社の連合は「3位にとどまる」として、「トヨタやホンダを下回る」ことを強調しているが、「だからどうなの?」という内容の記事である。その紙面の隣には「自動車大再編・始まった組み替え」というテーマで連載企画が始まったが、「鈴木会長もすでに79歳。退任後も自主独立を貫くことができるのか」としながら、「成果を引き出せなければ、力ずくの資本の論理が働きだす可能性も残る」と警鐘を鳴らす。
年の瀬に入ってからの「世界最大級の自動車連合誕生」というビッグニュース。「脅威」に感じるライバルも多いようだが、自動車分野の「2009年の十大ニュース」の筆頭候補になることは間違いない。