米国のキャップストーンタービン社は2日、ロサンゼルスモーターショーにおいて、『CMT-380』プロトタイプを発表した。特許技術の「マイクロタービン」を核にしたディーゼルハイブリッドを搭載し、0-96km/hを3.9秒で駆け抜ける。
カリフォルニア州に本社を置く新興企業、キャップストーンタービン社は、タービン発電機のスペシャリスト。特許製品の「マイクロタービン」は、ハイブリッドバスにも採用され、日本、米国、英国、フランスなど、世界各国を走っている。そのマイクロタービンを核にしたプラグインハイブリッドシステムを搭載するのが、CMT-380だ。
小型軽量なマイクロタービンは、「C30」と呼ばれる。熱交換を行う特許技術のリキュープレーター、タービン、コンプレッサー、永久磁石発電機などで構成され、回転部分はエアベアリングで支持された1軸型となるのが特徴だ。
同社によると、マイクロタービンは通常のエンジンに比べて、高効率で排出ガス中の有害物質が少なく、潤滑油や冷却水を使わないためメンテナンスも簡単というメリットがあるという。最大出力は41psを発生し、9万6000rpmという高回転まで許容。燃料は軽油またはバイオディーゼルを使用する。排出ガス性能はカリフォルニア州規制(CARB)や2010年のEPA(環境保護局)規制を満たす。
2次電池はリチウムポリマーバッテリーで、最大130kmをモーターのみでゼロエミッション走行。バッテリーの容量が少なくなると、C30マイクロタービンが始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給するとともに、バッテリーを充電する。最大航続距離は805kmまで伸びる。バッテリーは外部コンセントからも充電可能だ。
このプラグインハイブリッドシステムを、ファクトリーファイブレーシング社製の「GTM」ボディに搭載したのが、CMT-380。その加速性能は0-96km/h加速3.9秒、最高速241km/hと、スーパーカーとしてふさわしいものだ。
CMT-380は現時点では、あくまでプロトタイプとのこと。キャップストーンタービン社のDarren Jamison社長兼CEOは「現在、開発テストを進めており、近い将来、少量生産プランを公表したい」と市販に前向きだ。