三菱電線工業は27日、自動車用ハーネス事業を大幅に縮小し、汎用光ファイバケーブルなど収益回復が見込めない事業から撤退すると発表した。事業規模に見合った要員体制に再構築する。
自動車市場が急激に縮小するなど、経営環境が悪化している中で、自動車向けを中心とする電装部品事業は大幅に収益が悪化、前期は大幅な赤字を計上した。これまで拠点の統廃合によるコスト削減や事業構造改革などを推進してきたが、今期も赤字となる見通し。
不安定な市場環境に対応するため、自動車用ハーネス事業を大幅に縮小する。大口顧客に対する自動車用ハーネスの納入については原則として2010年6月末で終了するとともに、国内外の事業体制を抜本的に見直す。自動車用部品(電子部品を含む)については、今後も事業を継続・強化する。
さらに、汎用光ファイバケーブルなどの収益回復が見込めない事業からは撤退する。
事業規模が縮小するため、早期希望退職などの実施で全社レベルでの人員を削減する。今後はケーブル事業、機器部品事業の両事業を軸に、光部品、自動車用部品(電子部品を含む)などの収益事業へ集中することで経営基盤の早期回復を図る。
今期、自動車用ハーネス事業、汎用光ファイバ事業に関する減損損失、特別退職金、棚卸資産評価損失などで約40億円の特別損失の発生を見込んでいる。