GMは9日、再建後の新GMの会長にエドワード・ウィッテーカー氏を起用すると発表した。ウィッテーカー氏は元AT&T会長兼CEOで、AT&Tを米国一の巨大通信企業に育てた人物だ。
GMは経営責任を取って辞任したワゴナー会長兼CEOに代わり、3月末にフレデリック・ヘンダーソンCEOとケント・クレサ会長が着任。クレサ現会長は今夏、再建へのメドをつけ次第、ウィッテーカー新会長に任を引き継ぐ。GMの全13名の取締役のうち、ヘンダーソンCEOら7名は留任する。
新会長に指名されたエドワード・ウィッテーカー氏は、現在67歳。1990‐2007年の17年間、AT&Tのトップを務め、その間に全米に高速・大容量通信ネットワークを構築するなど、AT&Tを米国ナンバーワンの通信企業に成長させた。ウィッテーカー氏は、「この困難な時期にGM再生に携われるのは非常に光栄」と語る。
GMは1日、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請し、経営破たん。負債総額は1728億1000万ドル(約16兆4000億円)と推定され、米国製造業の倒産としては過去最大規模となった。
米国政府はGMに対して、301億ドル(約2兆9000億円)、カナダ政府は95億ドル(約9200億円)を追加融資。両政府が再建後に発行する新GMの株式72%を取得し、GMは事実上、国有化されることが決定した。
今後、GMは破産手続きを60 - 90日以内に終わらせ、米国とカナダの両政府の管理下で、スピード再建を目指す。ウィッテーカー氏の経営手腕に、注目が集まっている。