昭和電工は、大型リチウムイオン電池向けの黒鉛負極材「SCMG」の開発に成功し、国内外複数の電気自動車の大型リチウムイオン電池向けに採用が決定したことから、このたび販売を開始した。
SCMGは、同社独自の粉体処理技術により、負極材として最適な形状に加工した炭素原料を大町事業所の特殊高温黒鉛化炉で熱処理することにより生産する。
SCMGの使用により、リチウムイオン電池の急速放電特性とサイクル寿命が向上する。急速放電特性の向上で、大電流の使用やリサイクル寿命の向上により電池使用の長期化が可能となる。このため、今年から全世界で販売が開始されるリチウムイオン電池を搭載する複数の電気自動車向けに採用が決定した。
同社では、製品に対する需要の伸びが期待できるため、大町事業所(長野県大町市)の生産能力を現状の年産1000トンから2012年には3000トンに増強する。2012年のリチウムイオン電池向け同社カーボン材料の売上高は80億円を見込んでいる。