漫然横断の96歳男性に実刑を求める

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昨年4月、茨城県取手市内の国道6号で、漫然横断していた自転車を避けようとした普通トラックが路外に逸脱。民家に突っ込んだトラック運転手を死亡させたとして、重過失致死罪に問われた96歳の男に対する初公判が3日、水戸地裁土浦支部で開かれた。公判は同日で結審し、検察側は裁判所に禁固刑を求めている。

問題の事故は2008年4月7日早朝に発生した。取手市白山付近の国道6号で、道路横断していた自転車を避けようとした普通トラックが対向車線側に逸脱。そのまま道路右側にある事務所兼住宅に突っ込んで大破。トラックを運転していた53歳の男性が死亡した。

警察では「事故は自転車の危険な横断が主因で発生しており、自転車側にも一定の責任は生じる」と判断。検察も「トラック運転手が死亡しており、重大な事案である」と判断。公訴が適当として、男を重過失致死罪で起訴していた。

3日に開かれた初公判で被告は起訴事実を全面的に認めた。今回の公判では被害者参加制度が適用され、死亡した運転手の妻が出廷。「被告の勝手な判断と行動で事故が発生しており、高齢者でも罪は罪。最高刑を求める」などと意見陳述を行っている。
 
検察側は「信号を無視して漫然横断を行っており、無謀かつ危険な行為」として、裁判所に禁固2年6か月の実刑を求めた。被告弁護側は「早朝であり、逆光で信号が見えにくかった可能性がある」、「トラックが速度超過状態で進行していた可能性もある」として、業務上過失致死罪の適用を求め、同日で結審している。

《石田真一》

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