覚せい剤使用の少年に刑事責任能力あり 不定期刑

自動車 社会 社会

2008年3月、青森県青森市内の国道4号で覚せい剤使用後にクルマを運転し、5人を死傷させるひき逃げ事故を起こしたとして、危険運転致死傷などの罪に問われた19歳の少年に対する判決公判が1月29日、青森地裁で開かれた。裁判所は懲役4年以上8年以下の不定期実刑を命じている。

問題の事故は2008年3月29日夕方に発生した。青森市野内字山王林付近の国道4号・東バイパス上り線を猛スピードで走行していた乗用車が、前走車を追い抜くために下り線へ進入した直後、下り線を順走してきた軽乗用車と正面衝突。押し出された軽乗用車は上り線を順走してきた別の乗用車とも衝突した。

3台のクルマは大破。軽乗用車を運転していた女性が死亡。乗用車側の3人も軽傷を負った。事故の原因となったクルマを運転していた19歳の少年は徒歩で逃げたが、その後に発見されて逮捕。後に覚せい剤を使用していたこともわかり、検察は危険運転致死傷などの罪で起訴している。

公判で少年は「運転していた記憶が無い」、弁護側は「覚せい剤の影響で意識障害を起こしており、刑事責任能力はない」と主張していたが、1月29日に行われた判決公判で、青森地裁の渡辺英敬裁判長は「被告は事故当時、覚せい剤の影響を受けていた」ということを認めた上で「事故直前まで交通状況に応じた運転を行っており、事故後にクルマを乗り捨てて逃走しているなどの行為から、状況認識もできていた」として、刑事責任能力を有していると断定した。

また、この少年が過去に恐喝やひき逃げ事件を起こしていたことも指摘。「遵法意識に欠ける」として、被告の少年に対して懲役4年以上8年以下の不定期実刑を言い渡した。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース