「プローブを活かしつつマルチプラットフォーム展開で認知向上を目指す」…全力案内!開発者

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「プローブを活かしつつマルチプラットフォーム展開で認知向上を目指す」…全力案内!開発者
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2008年秋、プローブを武器にケータイナビサービスへ参入したユビークリンク「全力案内!」。以降、矢継ぎ早の機能拡張とiPhoneをはじめとするマルチプラットフォーム展開でサービスの地盤を固めてきた。ケータイアプリに追加された新機能と、今後のケータイナビのキーになるタッチUIについて、バイスプレジデントを務める事業開発本部の大原聡一氏とiPhoneアプリを担当した古谷彰子氏に話を聞いた。

◆「バージョンアップの頻度は多くてもいい」

----:大原さんには4月にもインタビューしましたが、それ以降、全力案内!では数多くの機能追加やバージョンアップが実施されました。

大原:先日とったユーザーアンケートでは大半のユーザーは新機能の追加を魅力に感じているようです。バージョンアップの頻度は多くてもいいのではと考えています。

----:10月にはケータイ版アプリの新機能「グループナビ」を追加しましたね。

大原:友人らと一緒に出かけるときにグループに登録したメンバーの位置がリアルタイムに分かるサービスです。また、グループナビに先立って、スポットにコメントを入れたり写真をアップロードできる機能も加えています。

----:PC連携サービスも充実してきました。

大原:ケータイ版と同様のルート検索ができ、さらにドライブした軌跡とコメントがPCで参照できるようになりました。

◆楽しく使えるコミュニティ機能も

----:UI面での機能改修等にも積極的ですね。

大原:機能拡張だけでなく、使い勝手の面、とくにレスポンスの向上には注力してきました。地図のスクロール性向上へのニーズが高かったので、秋のバージョンアップで対応しました。また操作時のタッチ数を減らすために、次に押すであろうボタンに自動で移動させるなどの工夫もしています。

----:ケータイの横位置表示にも早くから対応されていました。

大原:横位表示の要望はかなりあったのですが、できてしまえば当たり前の機能です。カーナビとして使うには、やはり横長の画面で見た方がいいと考えている方が多いのですね。

----:グループナビは、誰がどこにいるかが一目で分かるので、チューニング次第で配送などの運行管理に利用できそうですね。

大原:グループ機能は、ユーザー同士で誘い合って全力案内!を使ってもらうことを狙いとしていたのですが、おっしゃるようにビジネス用途にも使えるということで、企業からの問い合わせも来ています。グループナビが使えるのは現状NTTドコモとソフトバンクモバイル向け端末ですが、異なるキャリア間でも利用できます。今後もキャリアや端末の垣根をこえて利用できるサービスを提供していく予定です。

古谷:グループナビ以外にも、ケータイから指定のアドレスに飲み会の場所を指定するメールを送ったり、アンケートがとれる「位置連絡サービス」があります。これはアプリの機能ではなくケータイのWebとメールを利用するものです。

----:プローブを主体とした実用サービスをベースに、高速化などの足腰の部分も底上げしつつ、より楽しめるコミュニケーション機能を充実させたということですね。クルマの中は電源がある環境ですから電池の消耗はそれほど気にしなくてすみますが、外でGPSナビを使っていると電池が心配になってきます。

大原:省電力化については、この夏から秋にかけて力をいれて改良しました。とくに処理の重い地図描画については、先ほど申し上げた地図スクロールの高速化は節電という面でも効いています。またナビアプリの場合、バックグラウンドでは複数のスレッドを並行して地図を先読みしていたり、GPSをとっていたりと、CPUにかなりの負荷がかかっています。そこで「節電モード」を用意し、スレッドがスリープする時間を延ばす、GPSの位置取得間隔を長くする、照明の点灯時間を短くするといった工夫で電池の消耗をさらに抑えています。

◆iPhone向けアプリをリリース

----:この秋、iPhone向け全力案内!アプリの提供を始めました。

大原:iPhoneでは “リアルタイムのルートガイダンス”ができませんが、自車位置を表示しながら進行方向が上になるように統計的な処理をしてヘディングアップする「フリーモード」を用意しています。

古谷:(2008年の)12月19日にはバージョンアップして、目的地までの経路が表示された地図上に現在地を自動的に表示し続けることができるようになりました。iPhoneのアプリとしては初めての機能です。ただし、諸事情により、リアルタイムの音声案内はしておりません。

----:画面を見ると、ケータイ版と同様にかなりきめ細かく道路交通情報が表示されていますが、iPhone向けに提供する渋滞情報はケータイ版と同様なのですか。

大原:iPhoneアプリでは、VICSは抜いてプローブ情報のみの提供となっています。

----:プローブ情報が見られるので、VICSに対応していないカーナビのサブとしても使えそうです。では、iPhone版ならではの特徴は。

古谷:Appleユーザーの特徴として、ヘルプやマニュアルを読まず直感的に操作できるUIを好む傾向があります。全力案内!のiPhone版では、なるべく操作数を減らして、シンプルなUIとしたことが特徴です。少ないタッチ数で必要な項目を選択できるよう工夫しました。

----: iPhone版アプリとケータイ版アプリとは全く異なるものなのですか。

古谷:データベースの基本は両者共通ですし、iPhoneのチューニングをしていく上でドコモやソフトバンクの地図描画もブラッシュアップしていきました。同様のサービスともベンチマークを取って比較しましたが、特に地図のスクロールや回転動作はトップレベルにあると考えています。

----:iPhone版アプリの提供は無料とのことですが。

大原:ナビサービスについては私どもは後発ですので、認知度の向上が大きな課題です。iPhoneは話題性も大きいので、2009年3月末までは無償提供とさせていただきました。4月以降についてはまだ未定です。

◆3つのプラットフォームで展開

----:Windows Mobileについてはどうですか。

大原:すでに開発は最終段階に入っています。できるだけ早い時期に提供したいですね。リリース前ですので詳しいことは申し上げられませんが、UIはiPhone版とは異なり、Windowsらしいものになると思います。

----:となると、ケータイ版、iPhone版、Windows Mobile版それぞれで別のUIとなりますね。全力案内!としてサービス共通のUIを作るのではなく、それぞれのプラットフォームで最適なUIを目指す、ということなのでしょうか。

大原:移植性を考慮すると、UIは統一したいところです。ただ、機器によってはユーザープロフィールが異なるため、ある程度の作り分けは必要です。とくにAppleユーザーはUIがApple流でないというだけで受け入れてもらえない。かといって、全部スクラッチで作っているわけではありません。デバイスに依存するところをラップしつつ、全力案内!らしさを前面に押し出していければと考えています。

----:では最後に、今後の目標を。

古谷:現状はケータイに、iPhone、そしてWindows Mobileと、デバイスでUIが規定されています。今後はおそらくタッチパネルデバイスがさらに増えていくでしょう。タッチ操作を見据えたUIの構築は課題であり目標ですね。

大原:現状は横画面もタッチパネルも、アプリによっては対応していたりいなかったりと過渡期にあります。ですが、横画面で使いやすさを追求していくとタッチ操作になっていくでしょうし、今後はタッチパネル液晶採用の端末は増えていくはずです。iPhone開発の背景には今後ケータイアプリに盛り込むべきUI開発という側面もあります。

----:モバイルデバイスの進化は、カーナビを脅かすのではないですか。とくに全力案内!はリアルタームプローブという形でテレマティクスの一端をすでに実現しています。

大原:ケータイで大画面のカーナビを代替するとは考えていません。ですが、モバイルにはモバイルの良さがあります。乗る前や降りた後に使え、PCとも連携できる。ハードウェアの性能向上は目覚ましいものがありますので、今後できることはもっと増えていくと思います。これまでの全力案内!のキャラクターは“プローブ”でしたが、その特色を活かして、UI面も含めて、ドライブのシーンで楽しくて便利なサービスを実現できれば、と考えています。

《聞き手:三浦和也》

《まとめ・構成 北島友和》

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