フィアット傘下のアルファロメオが米国市場への復活に向けた動きを加速させている。2008年10月には『8Cコンペティツィオーネ』84台を全米のマセラティのディーラーを通じて販売。予約段階で即完売という人気となった。
8Cコンペティツィオーネは2006年10月のパリモーターショーでデビュー。フィアットやマセラティの最新技術を駆使して完成したFRスポーツカーで、その官能的なスタイリングが多くのファンを魅了した。
エンジンはマセラティ『グラントゥーリズモ』の4.7リットルV8で最大出力450ps、最大トルク49kgm。6速セミATと組み合わせられ、0-100km/h加速4.2秒のパフォーマンスを発揮する。世界限定500台が瞬く間に完売したのも記憶に新しい。
今回、フィアットは米国向けに84台を追加生産。現地価格24万ドル(約2400万円)にもかかわらず、予約受付開始後、すぐに完売したという。フィアットはアルファロメオの米国での本格販売に確かな手ごたえをつかんだようだ。
アルファロメオは1995年を最後に米国市場から撤退。当時は品質面での問題を抱えており、販売不振から撤退を決断した。しかし、2008年3月、フィアットのセルジオ・マキオーネCEOは、アルファブランドの米市場再参入の意向を表明。そのための準備を進めてきた。
10月2日、パリモーターショーでメディアの取材に応じたマキオーネCEOは「2010年までに米国でアルファロメオを販売したい」とコメント。さらに、「2012年を目標に、米国での現地生産も視野に入れている」と明かした。現地生産はクライスラーの休止工場を活用し、販売はMINIのディーラーを通じて行うとの噂もある。また、まずはフィアット『500』を米国で販売。その後、アルファ各車を導入する計画、との報道もある。
アルファロメオの米国復活は現地のファンにとってはうれしいニュース。しかし、金融危機で米国の新車市場は急激に冷え込んでいるだけに、フィアットからの正式発表を待ちたいところだ。