感性価値時代のデザイン…デザイン部門トップが語る

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「人とくるまのテクノロジー展2008」(5月21 - 23日、パシフィコ横浜)で21日、フォーラム『感性価値時代のデザインと企業ブランド』が行われ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スズキのデザイン部門トップが出席し、カーデザインをテーマに語った。

5社のデザイントップが会したパネルディスカッションでは、「日本の若者はなぜ車への関心が希薄になったのか? 車をつくる側の工夫は?」という議題についても、議論された。

車への社会的ニーズ、カスタマー・ニーズに応えながら、独自性の発揮を模索しているトヨタ自動車の平井和平デザイン本部常務役員は、「成熟した社会にふさわしい魅力を新たに考えてデザインし、それをアピールしていく必要がある」と語り、今後は車そのものに企業の考えやメッセージを込めていく重要性を唱えた。

また、パソコンの価格変化などを例に出して車のコストについて言及した日産自動車の中村史郎デザイン本部常務役員は、「車のバリューに対してコストが見合ってないかも。車の値段は近年ほとんど変わっていない。ユーザーの要望に応えるべく装備がどんどん増えている。コストを下げ、値段を下げることも重要だ」と語り、「30万円程度の車をつくる」という方向性もないわけではないと付け加えた。

いっぽう本田技術研究所(ホンダの研究開発部門)の海老澤伸樹常務執行役員は「若いデザイナーに『10年ぐらい前の車に乗っていてもそんなに恥ずかしく感じないよね』と話すときがある。それはデザイナーの重大な責任で、新しい価値観を提案できてないんじゃないか」と語った。“感性”の部分では、先進的立場にある日本で、車が技術とデザインの両面でどう業界をリードしていくかが今後の課題だという。

マツダ・デザイン本部のヴァンデンアッカー・ローレンス本部長は、若者の車離れに対しては大らかな立場だ。「例えば、昨年の東京モーターショーで登場したマツダ『大気』や、日産『GT-R』など、強烈な印象の車がちゃんとある。いっぽうで、多くの競合他社と戦うために単なる“プロダクト”になっている車がある。そんな中、マツダ・ブランドは、車を愛してくれる人に対して車をつくっていくので、車離れは懸念していない」と。

さらに、スズキ4輪デザイン部の吉村等部長は「車にはもともと男性的な要素があって、スピードやスタイルなど男の価値観を代表するような存在。そして社会的インパクトが強い商品だ。そういう意味では、車を使って自分の考え方やライフスタイルをアピールするだけの魅力が、今の車には備わっていない。そして、セクシーさや存在感といった男女共通の価値観も必要だ」と、カーデザインに課題が多く残されていることを強調した。

《レスポンス編集部》

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