日立化成工業は、連結子会社のヒタチ・ケミカル(シンガポール)が、同社ロイヤン工場内に約30億円を投じて、延べ床面積約1万9000平方メートルの内層工程用の工場を新設すると発表した。生産能力を現状比で約20%増強する。
シンガポール日立化成は、これまで主にマザーボード用多層配線板の製造をロイヤン工場(主に外層工程)、ベドック工場(主に内層工程)の2拠点で行ってきた。しかし最近の製品価格の下落や、銅を始めとする原材料価格の高騰を受けて、より付加価値が高く、今後さらなる市場拡大が見込まれる高密度配線板および高多層配線板への品種転換を進めることが課題となっていた。
こうした状況下、これまで外層工程の生産設備のあったロイヤン工場の敷地内に、新たに内層工程用の新工場を建設する。
同社グループでは、4月1日付けで国内配線板事業の再編・統合を実施し、営業部門・事業部・開発部門を日立化成に統合することで事業戦略の一元化と顧客窓口を一本化するとともに、製造拠点については子会社である日立エーアイシーへ統合し、生産効率の向上を図っている。
海外での配線板事業についても、同じく同社グループの配線板製造会社で、主に自動車やデジタル家電向けの配線板を製造する台湾日立化成工業とシンガポール日立化成が連携して、顧客ニーズに対応した製造品種のすみ分けを行いっている。