横浜ゴムから発売された新製品の『DNAアースワン』の特徴は、転がり抵抗の低減と、ウェットグリップの向上だ。
タイヤ技術本部の狭間浩久さんは「DNAアースワンのゴムには果物のオレンジの皮を由来とするオレンジオイルが配合されています。オレンジオイルは天然ゴムに馴染みやすく、ゴムをしなやかにしてくれる作用があるので路面とタイヤを密着させることができ、ウエット路面の摩擦力を高めるとこができます」
「また、オレンジオイルはタイヤゴムの分子が激しい動きをする時に積極的に発熱しますが、定速走行時にはあまり発熱しないので、転がり抵抗を抑えてくれるのにも役立ちます」という。
実際にテストコースで従来型のエコタイヤである『DNAエコス』とアースワンを履き比べてみたが、その差は歴然だった。エコスでも不足のないグリップレベルを持ってはいたが、アースワンのほうがタイヤにしなやかさがあり、濡れた場所でもタイヤがしっかりと路面を掴んでいるのがわかる。
ウエット時のグリップレベルが向上しているので、コーナリングの速度も高めることができ、限界を超えてアンダーステアになってもグリップを回復するのが容易だ。ブレーキング時のタイヤの接地感も高く、制動距離も短くすることができるので安全性も高めることができる。
100km/hからのウエットの急制動実験を行なった結果では、3.4mアースワンのほうが短く止まることができたという。
今までのエコタイヤだと、冷えた路面や濡れた路面でのグリップ力低下がひとつの課題ではあったが、アースワンなら冬の濡れた路面でも安心して走ることができる。