病院へのひき逃げ被害者放置事件、強盗目的だった

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昨年11月、大阪府大阪市平野区にひき逃げ事故に遭い、意識不明の状態となった女性が病院内駐車場に放置された事件について、大阪府警は1月28日、自動車運転過失傷害などの容疑で逮捕した男が強盗目的で事故を故意に起こしていた可能性が高いことを明らかにした。

大阪府警・交通捜査課によると、問題の事故は2007年11月22日の早朝に発生した。大阪市平野区加美西付近にある病院の駐車場内に前部が破損したワゴン車が放置され、後部の荷室に頭などから血を流した女性が倒れているのを巡回中の警備員が発見した。

警察では重傷ひき逃げ事件として捜査を開始。別の窃盗罪で逮捕されていた33歳の男が容疑に関与したものと判断。自動車運転過失傷害や道路交通法違反(ひき逃げ)の容疑で再逮捕し、調べを続けていた。

当初、男は「脇見運転をしていて女性をはねてしまった。ブレーキを掛けたが間に合わなかった」と供述していた。しかし、現場にはブレーキ痕が見当たらず、捜査員がこの点を厳しく追及したところ、男は「所持品を盗む目的ではねた。ところが想像以上にケガが重く、かわいそうなので病院まで運んだ」などと、故意に事故を起こしたことを認めた。

衝突時の速度は60km/hと推定されており、警察では1月28日までに容疑を強盗殺人未遂に切り換えて送検した。現場周辺では走行中のクルマを自転車に追突させ、転倒した被害者から現金を奪う事件が他にも発生しており、警察が関連を調べている。

《石田真一》

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