三菱『ランサーエボリューションX』のツインクラッチSSTには3パターンの制御モードが用意されているが、その中でももっともスポーティなスーパースポーツモードは、今までの制御ロジックの想像を超える過激なモードに仕上げられている。
ツインクラッチSSTの開発を行なった、商品開発統括部門の一樂浩さんは「スーパースポーツモードを選ぶと、シフトチェンジにかかる時間がより短くなり、さらに電子制御スロットルのモードが切り替わり、よりアクセルレスポンスをスポーティな方向に変えてくれます」
「オートマチックモードで走っているときでも、5000 - 7000rpmを維持するように早めにシフトダウンし、つねに高回転を維持し続けるので鋭い加速を引き出すことができます。スーパースポーツモードはサーキット走行を前提に開発したモードなので、停車状態でモード切替のスイッチを3秒以上長押ししないと入らないようになっています」と話す。
実際にスーパースポーツモードを選んで走ってみると、かつてないほどのスポーティな制御に驚かされてしまう。Dレンジで走っていても5000rpm以上回さないとシフトアップせず、少し減速して5000rpmを下回るようなら、すぐに鋭いブリッピング(空吹かし)をし、シフトダウンを行なうのだ。
シフトチェンジの素早さは、スポーツモードでもじゅうぶんに早いので大きな違いは感じないが、この高回転を維持する制御は今までの常識を超えている。アクセルの制御も少しアクセルペダルを踏み込んだだけで、大きくスロットルバルブが開くので、一気に豪快なパワーを与えてくれるのだ。
確かにここまで過激だと、サーキットにコースインするときのように、停車した状態で気持ちを切り替えて挑まないと些か危険かもしれない。