08年度の自賠責保険いくら値下げ?

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自動車損害賠償責任(自賠責)保険が安くなる---。複数のメディアが報じたこの記事を巡って、金融庁は完全取材拒否状態だ。

「年内は絶対無理です。1月18日まではすべてのメディアの取材には応じられません」(担当連絡係)。各社が自賠責保険値下げを報じたのは2007年仕事納めの後だったが、年明け後も金融庁はこの話題にノーコメントを貫くつもりだ。記者の昨年からの取材依頼にも金融庁は日程を引き延ばし続けていた。

自賠責保険の保険料は損害保険料率算定機構がまとめた案を金融庁長官の諮問機関である自賠責保険審議会が審議、了承。再び損害保険料率算定機構が了承案を金融庁に届け出る形で改定となる。08年度の審議は1月10日と18日だ。

自賠責保険料値下げについて最も詳細に報じたのは日経新聞だ。同紙によると08年の自賠責保険の保険料は、沖縄・離島を除く2年契約の自家用乗用車で2万5000円程度、さらに2万2000円の案も浮上しているという。

07年度の保険料は3万1730円だ。実際には国の補助(交付金)が900円あるため、契約者は3万0830円の保険料を支払っていることになるが、それだけでも6000円近い値下げが期待されている。

だが、保険料引き下げは手放しで喜べることなのか。自賠責保険の保険料は、これまでも保険料を引き上げながら、一方で自賠責特別会計が溜め込んできた運用益を吐き出すことで、保険料の急上昇を抑え込んできた。09年度はこの補助(交付金)がなくなる時でもある。自賠責保険審議会の審議が注目される。

《中島みなみ》

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