横浜ゴムは、道路橋の継ぎ目に取り付ける伸縮装置ゴムジョイント「YS II型」シリーズに、より大きな隙間に対応できる『YS II-W(ワイド)』を追加した。今秋から販売を開始する。
阪神大震災レベルの地震にも耐えられるよう免震ゴムを設置する橋梁が増えているが、免震構造には、橋桁同士の衝突を防ぐため継ぎ目に広い隙間を確保しなければならない。YS II-Wはこうした広い隙間のニーズに応えた商品で、500mmの隙間に対応できる。
ゴムジョイントは橋桁間の隙間をつなぎ、橋桁の温度変化による伸縮や地震の揺れに追従するための伸縮装置。YS II型は、環境をキーワードに開発した商品で、騒音低減効果もある。ポイントはタイヤの設計技術を生かして開発した表面ゴム部の排水溝パターンで、排水溝の間隔を不揃いにした不等ピッチパターンを採用したことだ。高い排水性を確保すると同時に、車両が通過する際に発生する耳障りな音域のノイズを抑えている。
自社測定データでは、従来のジョイントに比べ50km/hで2 - 7デシベルの騒音低減効果があった。
ジョイント部からの水漏れは鉄筋などのさびの原因となるが、YS II型は止水性にも高い効果を発揮する。表面ゴム部と側板の鋼材が加硫成型されており、道路幅に合わせ製品を接続する場合も工場で加硫接続を行う。このため、継ぎ目のない一体構造を保持でき、高い止水性を確保できるとしている。