上下2段式になったマルチプレックスメーターを採用した現行型ホンダ『シビック』のインテリアは、「タイプR」には似合わないと思っていたが、新型タイプRはその近未来的な雰囲気を、上手く走りのイメージにつなげている。
新型シビック・タイプRの開発責任者を務めた、本田技研研究所の假屋満さんは「新型シビック・タイプRのインパネはベース車と共通ですが、メーターはタイプR専用になっています。タイプRではアッパーメーターに、VTECの切り替えポイントやエンジン高回転時に400rpm刻みで回転の上昇を教えてくれる、REVインジケーターを内蔵することで、少ない視線移動で、瞬時に速度と回転数を把握できる構造にしています」
「また、従来のタイプRではレカロ製のバケットシートを採用していましたが、新型シビックタイプRでは『ホンダRスペックシート』という、ドライバーを面で包み込んでホールド性を高めるシートを新開発しています」という。
ホンダRスペックシートはレカロに比べるとあたりが柔らかく、包み込まれるような感じが強い。着座位置もレカロより若干高く設定されており、日常的にも疲れにくそうなシートポジションになっている。
ステアリングも現行シビックは楕円形なので、歴代タイプRで採用されてきたMOMO製ではなく、オリジナルのタイプR専用の本革巻きステアリングが装備されている。
レカロやMOMO製ステアリングといった、タイプRの定番アイテムがないのは少し寂しいが、それでも新型シビックタイプRのインテリアは、タイプRの名に恥じないスポーティなテイストに仕上がっている。