衝突時の速度はもう少し速かった…埼玉の保育園児死傷事故

自動車 社会 社会

昨年9月、埼玉県川口市内の市道で、乗用車を脇見運転中に保育園児の列に突っ込む事故を起こし、園児21人を死傷させたとして業務上過失致死傷罪に問われた38歳の男に対する初公判が2日、埼玉地裁で開かれた。被告は起訴事実を認めている。

問題の事故は2006年9月25日午前に発生した。川口市戸塚東2丁目付近の市道を走行中の乗用車が突然斜行し、道路左側を歩いていた保育園児や引率の保育士など39人の列に突っ込んだ。

クルマは園児たちをはね飛ばしながら突進を続け、最終的には電柱に衝突した。この事故で園児4人が死亡、園児と引率の保育士あわせて17人が重軽傷を負っており、警察は男を業務上過失致死傷容疑で逮捕している。

後の調べで、男は事故直前に助手席に置いていたカセットプレーヤーを操作し、前方をまったく見ていなかったことが判明。この事故以前の2006年5月にも同様の理由で物損事故を起こしていたことも明らかになった。

2日に行われた初公判で、男は起訴事実を認めるとともに、衝突時の速度については「50-55km/hと言われているが、最終的には(衝突直前には)もう少し出ていたと思う」として、法定速度である60km/hをオーバーしていた可能性を容認している。

冒頭陳述で検察側は、被告が以前から減速しない状態での右左折や、クルマを走行させている際に助手席の地図を見るなどの前方不注意を繰り返し行っていたと指摘。事故が起きた市道は幹線道と並行する、いわゆる「裏道」だが、被告が信号や渋滞を避ける目的でこうした道路を多用していたことも指摘している。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース