【池原照雄の単眼複眼】ディーゼルも強化するホンダの環境戦略

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業界初、製品と生産両面での環境自主目標

ホンダは先週、環境対策の新たな自主目標を設定したことを明らかにした。CO2(2酸化炭素)排出の低減を、製品と生産活動の両面から2010年までの10年間におおむね10%低減するというものだ。同時に発表されたハイブリッド専用車もその一翼を担うものだが、福井威夫社長はディーゼルエンジンの開発強化も公表した。ガソリンエンジン主体で来た同社のパワートレインが多様性をもつことになる。

CO2の削減目標は、製品が1km走行時、生産活動が4輪車生産1台当たりの全世界平均値。いずれも2000年を基準に05年までに約5%低減したが、10年までにさらに5%以上の低減を掲げた。

2輪、汎用については累計で20%の低減を図る。こうした自主目標の公表は異例で、福井社長も「業界初」と強調した。

◆ガソリン並みにNOx低減しV6も開発

製品面では09年に投入するハイブリッド専用車が注目されているが、CO2の排出量が少ないディーゼルも拡充する。創業以来、ディーゼルに距離を置いてきたホンダが自社開発品を投入したのは03年末だった。

排気量2.2リットルで、欧州向けの『アコード』や『CR-V』などに搭載されている。いすゞ自動車から1.7リットルのエンジンを調達していたが、すでに打ち切った。

この2.2リットルエンジンをベースに09年には、ディーゼルの弱みであるNOx(窒素酸化物)をガソリンエンジン並みに削減した次世代クリーンディーゼルを投入する計画だ。

現状では最も厳しい規制となる米カリフォルニア州の09年規制(Tiea2 BIN5)に適合させる。さらに同じ性能をもつ3リッター級のV6ディーゼルの開発にも着手しているという。圧縮比が高く頑丈なため重く、コストもかかるディーゼルは中大排気量に特化させるという戦略が見えてくる。

◆ディーゼルの走りが日本でも評価される時代が

一方でホンダのハイブリッドはシステムが簡便であり「軽量コンパクトでコスト負担も少ない」(福井社長)。その利点を生かし、09年に投入する専用車は小型ファミリーカーだ。

ガソリン車は軽自動車からプレミアムまで網羅的にカバーする一方、ハイブリッドは小型、ディーゼルは中大型主体という環境対応の「ポートフォリオ」を描いている。

次世代クリーンディーゼルは、NOxの大幅削減により日本市場でも受け入れられることになろう。低速時からの高トルクによる加速性能が魅力のディーゼルが中型やプレミアムクラスで徐々に根付く予感がする。

《池原照雄》

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