GM、追加リストラ…医療給付削減、配当半減、役員報酬削減

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GMは、北米事業を再建するための追加施策を正式に発表した。追加したリストラ策は、米国内のホワイトカラー退職者向けの医療費給付削減、米国内ホワイトカラーの年金給付負担額の減額、株主配当の50%減配、会長などの経営幹部の報酬の大幅削減、社外取締役の報酬の50%削減となっている。

GMのリチャード・ワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)は「GMの社員や株主、退職者、経営幹部といった関係者すべてに犠牲を強いる苦渋の決断だが、我々は自動車業界における激変や世界的な競争にさらされており、それらを乗り越えるためには財務リスクを低減するための新たな方策や、長期的な競争力の強化が必要」と述べて、ステークホルダーに理解を求めた。

GMはすでに、北米事業の販売費及び一般管理費を2006年末までに60億ドル削減する計画や、原材料費を年間で10億ドル削減する案などを発表している。昨年10月には、全米自動車労組(UAW)と歴史的な合意に至っており、さらに、11月には、プレス工場やパワートレイン工場など9工場の閉鎖を柱とする稼働率低減案を発表している。さらに、グローバルベースで2005年時点で34%となっている販売費及び一般販管費を、2010年までに自動車事業収益の25%相当額にまで削減する目標も発表している。

今回のリストラ策では、GMが負担しているホワイトカラーの医療費の上限を、2006年の支出のレベルに抑えることにした。この上限は2007年1月1日から発効する。退職後医療費給付受給資格のある従業員・退職者ならびにその遺族配偶者、扶養家族に適用される。2006年以降、医療費の平均が規定の上限を超えた場合には、医療費制度に対する費用負担の適用範囲を変更する追加の計画変更が行われ、翌暦年より実行される。 退職者医療費給付の変更により、GMの退職後給付(OPEB)に対する負担は約48億ドルの減少となり、GMが1年間に負担する退職者医療費について、通期では税引前で約9億ドル削減できると予想されている。

医療費給付制度の変更に加え、現行の米国内のホワイトカラーの年金給付制度の見直しも進める。

また、GM取締役会は、2006年2月16日の時点で株主名簿上に記載のある株主に対し、四半期配当金として1株当り0.25ドルを2006年3月10日付けで配当すると決定した。1997年第1四半期以降の四半期配当金は、一株当り0.50ドルで、半減となる。この減配措置により、GMの現金支出は年間5億6500万ドル縮小される。

役員報酬も削減する。ワゴナー会長は50%削減するほか、ジョン・ディバイン副会長、ロバート・ラッツ副会長、フレデリック・ヘンダーソン副会長が30%削減、トーマス・ゴチャック上級副社長・相談役が10%削減となる。

またGMグローバル幹部職に対して、2005年度分のボーナスは支給されない。

《レスポンス編集部》

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