【新聞ウォッチ】2006年新春スペシャル版

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

★2006年新春スペシャル版

日本列島は寒波に見舞われたが、東京株式市場は続伸し、バブル経済期以来の株式相場活況の中で2006年が明けた。各紙が年末に実施した主要企業の景気アンケートの結果をみても9割以上が「拡大している」と回答。日本経済がデフレ脱却に向けた期待などを背景に、景気の拡大基調が続くとの見方が強まっている。

さて、この「新聞ウォッチ」のコーナーも年末の27日から数えると10連休。年末年始の紙面には一体どんな話題が報じられたのか、自動車関連のニュースを中心にチェックしてみよう。

まず、年末の社会面をにぎわせたのが、山形のJR羽越線の特急脱線転覆事故の関連記事。それまで連日のように報じられていた姉歯元建築士による偽装設計のマンション関連の報道も一服状態。年を越してからの再び取材合戦となった。また、27日には2005年国勢調査の速報値が発表されたが、日本の総人口が初めて減少、「人口減社会」が到来したことが確認された。人口減、少子化の進展は、個人消費が広く回復する中、国内の新車販売が伸び悩む要因とも無縁ではない。29日付の日経朝刊では「自動車メーカーが販売網の再構築に大型投資、国内のテコ入れに動き出した」と、1面トップで取り上げていた。

恒例の元旦に配達される各紙は、テレビ・ラジオ番組やスポーツなどの正月特集の別刷りとセットでボリュームたっぷりだが、総ページ数では今年も116ページの日経がナンバーワン。次いで読売が108ページ、朝日が100ページ、毎日88ページなどとなっている。

元旦の紙面で際立ったのは産経の新春特別対談。ゲストは「ポスト小泉」の最有力候補とされている安倍晋三官房長官と日産自動車のカルロス・ゴーン社長で、2面と3面の見開きの紙面を割いて日本の針路やリーダー論などを思う存分に語り合っている。ただ、ゲストの発言者のところを「安倍氏」「ゴーン氏」と「氏」を入れており、パブ広告と紛らわしい対談だった。

このほか、元旦の紙面では読売が「GM・ダイムラー・BMWの3社がハイブリッド車で連合」という記事を掲載。日経は「待ったなし改革」という大特集を企画、この中で「自動車、再々編レース、米2強衰退の波紋」を取り上げて「2006年は自動車産業にとって激動の年になる」と予測。読売が4日付で「VW・ダイムラー提携、ミニバン北米生産」と独紙が報道した記事を取り上げている。

また、新年恒例の「2006年トップ人事を占う」では、自動車メーカーは、社長在任期間が6年となるいすゞ自動車の井田義則社長の進退を取り上げて「続投強まる」という予測を日経(3日付)が報じていたほか、5月に日本経団連の会長を退く奥田碩会長のトヨタ自動車内でのポストに注目。東京(5日付)が「“経営会議議長”などの新ポストで迎える可能性もある」と指摘している。

一方、経営者の景気判断では、今年の株価をトヨタの渡邊捷昭社長が3日付の日経で高値を1万8000円(12月)、安値を1万4500円(8月)とズバリ予測。読売も同様の企画を掲載し、自動車業界からは日産自動車の志賀俊之COOが回答者に選ばれたが、株価は「無回答」。30人の経営者の中で無回答は松井証券の松井道夫社長と2人だけ。もっとも、為替についても志賀・松井両氏は「無回答」。企業体質が紙面にもよく表れている。ちなみに、日経でスズキの鈴木修会長は105−120円と回答。日経の経営者20人が選ぶ有望銘柄では、トヨタがダントツ、ホンダは9位、日産を推奨した経営者はいなかった。

新年からの株価上昇を背に06年のキーワードは「脱デフレ」「大再編」「小泉後継」。きのうの経済3団体の新年祝賀パーティに出席した経営者からはこんな話題が飛び交っていたという(6日付朝日)。日本の自動車業界に目を向けると、北米では過去最高を更新(5日付各紙夕刊)するなど海外市場は相変わらず絶好調だが、国内の新車販売は軽自動車を除き低迷状態を続けている。道路特定財源などの税制改正の動きとともに、日産などはお膝元の国内のテコ入れが06年の大きなテーマになりそうだ。

《福田俊之》

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