暴走族のメンバーを逮捕したものの、期待族とみられるグループにパトカー車内からこのメンバーを奪還されていた事件について、兵庫県警は1日、警察に出頭してきた17歳の少年を奪還されていたメンバーと断定。道路交通法違反(無免許運転、転回禁止)容疑で逮捕した。奪還に参加した人物についても追及する方針だ。
兵庫県警・葺合署によると、問題の事件が起きたのは7月24日の午前3時40分ごろ。神戸市中央区加納町4丁目付近の県道を集団暴走していたとして、若い男を道交法違反の現行犯で同署員が逮捕し、パトカーの後部座席に座らせた直後、このパトカーが期待族とみられる約30人前後の若者に包囲された。
これを排除しようとした警官が期待族と揉み合っている最中、何者かがパトカー車内から男を奪還。近くに止めていたバイクの後部座席に乗せ、そのまま走り去った。男の奪取に成功した直後、群集も多方向に散開して逃げ出したという。
警察では男の行方や、奪還に参加したメンバーの特定を進めていたが、1日に17歳の少年が家族に連れられて同署に出頭。逃走した男と同一であることを認めたため、道交法違反容疑で緊急逮捕した。逮捕当時にしていた手錠は外されており、警察では被拘禁者奪取容疑で引き続き協力者の特定を進めたいとしている。