面識の無い人物がなりすまし

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栃木県警は9日、無免許の発覚を恐れ、交通違反の取り締まりを受けた際に他人の氏名などを名乗っていた女を逮捕した。

名義として使われた女性と女は面識がなく、警察では「他人の名を騙る事件は他にもあるが、まったくの第三者を名乗るのは珍しい」としている。

栃木県警・鹿沼署によると、有印私文書偽造・同行使の容疑で逮捕されたのは、栃木県鹿沼市内に在住する36歳の女。

この女は更新忘れから運転免許証を1997年に失効させたが、以後もクルマを運転。「何らかの違反で摘発された際には免許証の不携帯とすれば無免許であることは発覚しない」と知人から聞き、それに備えて自分と年齢が近い日光市内に在住する女性の名前や住所などの個人情報を暗記していた。

女は2001年3月4日に道路交通法違反(踏切一時停止違反)容疑で同署の摘発を受けたが、この際に女性の氏名はもちろん、生年月日、本籍、住所、電話番号などを署員に申告していた。女がすらすらと答えることもあり、署員も特に疑問を持たずに違反処理を行ったとみられる。

今年3月、名前を騙られた女性が免許証の更新を行った際、身に覚えのない違反歴が記載されていることに気がついて県警・運転免許課を通じて同署に相談。同署が調べを進めたところ、この女の存在が明らかになった。

取り調べに対して女は「知人を介して女性の個人情報を入手、暗記した」と供述。女と女性は面識がなく、女も個人情報以外のことは何も知らなかった。

無免許の発覚を恐れ、親族であるとか直の面識がある知人の名を騙る例は他にもあるが、今回のような事例での検挙は大変珍しく、警察では「まるでスパイ映画のようだ」とも話している。

《石田真一》

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