静岡県警は14日、客の依頼に応じて運転席の窓ガラスに対して違法な濃度の着色フィルムを貼りつけたとして、静岡市内で自動車修理販売業を営む53歳の男と、着色フィルムを販売する49歳の男を道路運送車両法違反容疑で逮捕した。
静岡県警・交通指導課によると、クルマのフロントガラスなどに違法な濃度の着色フィルムを貼ったとして逮捕されたのは、いずれも静岡市内に在住する自動車修理業の男と、フィルム貼り付け業の男。
この2人は、2003年4月に施行された改正道路運送車両法で、「保安基準を満たさない」としてフロントガラスや運転席/助手席側ドアガラスへの貼り付けが禁止された可視光線透過率70%以下の着色フィルムを客の要望に応じるかたちで、違法行為と知りつつ貼り付けていた疑いがもたれている。
違法な貼り付けが行われたのは、2003年6月から2004年6月までの1年間に車検や点検を名目に53歳の男が経営する自動車修理工場に持ちこまれた3台。
これらの運転席に貼り付けられたのは、可視光線をほとんど透過しないリアガラス用のもので、49歳の男は紹介を受けて工場に出向き、その場で施工していた。
今年1月、このうちの1台を道路運送車両法違反容疑で静岡県警が摘発。所有者に対する事情聴取から、2人の男が違法改造に関与していたことが明らかになった。
警察ではこれまでこの2人から任意で事情を聞いていたが、2人は納品書や請求書の書類を改ざん、保安基準をクリアする濃度のフィルムを貼り付けたと偽るなどしていた。警察では悪質性が高いと判断、逮捕に踏み切った。
車両の不正改造については、これを依頼したクルマの所有者(運転者)の摘発が主だったが、2003年4月の法改正によって改造を行った業者の摘発も可能になった。
これまでエンジンの出力改造や、大音量のマフラーを取りつける改造を行ったとして業者が摘発された例はあったが、着色フィルム貼り付けを名目とした摘発は今回が全国初のケースとなる。