21台に当て逃げした男に実刑判決

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2003年、福岡県北九州市内で、傷害事件を起こして乗用車で逃走する際に合計21台のクルマと衝突したとして、傷害などの罪に問われた22歳の男に対する判決公判が8日、福岡地裁小倉支部で開かれた。

裁判所は被告の男に懲役2年8カ月の実刑を命じている。

この事件は2003年12月28日に発生している。同日の夕方、北九州市小倉南区企救丘付近の市道でクラクションを連打しているクルマが止まっているのを確認。48歳(当時)の男性が不審に思って近寄ったところ、運転席にいた若い男が飛び出し、この男性の足などを数回蹴った。

男性の通報を受けた福岡県警・小倉南署員がクルマに戻っていた男に職務質問しようとしたが、男は警官の制止を振り切って逃走。警官はクルマではねられて重傷を負った。

クルマはその後も逃走を続け、この間に当て逃げを繰り返した。その数はなんと21台。一連の事故で2人が重傷を負っている。

男は傷害や公務執行妨害、業務上過失傷害などの容疑で逮捕されたが、尿検査で覚せい剤の成分を検出。男も事件の3日前に覚せい剤を使用し、以後はほとんど寝ていなかったことを自供している。事件直前には極度の寝不足で精神不安定な状態だったこともわかった。逮捕が繰り返され、その数も3回に達している。

8日に行われた判決公判で福岡地裁小倉支部の西森英司裁判官は、弁護側が主張していた心神耗弱状態を認めず、「覚せい剤の直積的な影響はなく、責任能力も認められる」として被告の男に対し、懲役2年8カ月の実刑を命じている。

《石田真一》

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