アメリカのインセンティブ競争はまだまだ終わりそうにない。
フォードでは、2006年モデルの『フォーカス』セダンを購入した顧客に対し、デル製ラップトップコンピュータを提供、というインセンティブを新たに開始。また、売れ行き不調な『フリースター』ミニバンのインセンティブも3000ドルにアップされた。
GMでは「ロイヤリティアワード」という、GM車からGM車への買い換え客に対し、さらに1500ドルのインセンティブを上乗せするサービスを行って来たが、これは3月で一旦中止。しかしキャデラック、ハマーを除くすべてのモデル、SUV、トラックを含め、60カ月利子なしローンを提供。
しかし、フォードのラップトッップ・インセンティブについては疑問の声が少なくない。「コンピュータが欲しくてクルマを買う人はいない」という声が圧倒的だし、それならばサテライトラジオの受信料サービスなど、他にユーザーを引きつけるインセンティブはあるはず、という意見が多い。
とにかくここ数年、ビッグ3がインセンティブとして還元しているのは1台平均で5000−6000ドルレベルとなっている。
売れ行きが好調でも利益を圧迫するインセンティブだが、アメリカの顧客はすでに「インセンティブがあって当たり前」という感覚になりつつある。メーカー側も、「いつ、どのようにしてインセンティブを打ち切るべきか」に悩まされているようだ。